Q.普通解雇と懲戒解雇はどう違うのですか?解雇予告手当はどちらも必要ですか?
「解雇」には、次の3種類があります。
1.「普通解雇」
:労働者の業務遂行能力や勤務態度の不良などにより使用者側の都合としてする解雇
2.「整理解雇」
:リストラなど、会社の経営上の理由により人員削減が必要な場合に行われる解雇
3.「懲戒解雇」
:服務規則違反など企業秩序を著しく乱した労働者に対する制裁罰として行われる処分で、もっとも重い処分としての解雇
解雇をした場合は、「解雇予告又は解雇予告手当の支払い」が必要ですが、即時解雇ができる例外が2つあります。
1.天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合
2.労働者の責めに帰すべき事由に基づいて解雇する場合で、所轄労働基準監督署長の認定を受けた場合
よく、「懲戒解雇」=「労働者の責めに帰すべき事由」であるため、「解雇予告手当」を支払わなくてよいと認識している経営者の方が多いのですが、それは間違いです。
「労働者の責めに帰すべき事由」の認定基準は、限定的で厳格な考え方で運用されています。
・極めて軽微なものを除き職場内での盗取、横領、障害など刑法犯に該当する行為があったとき
・賭博、破廉恥行為など職場秩序を乱した場合
・採用条件の要素となるような経歴の詐称
・他事業への転職
・2週間以上正当な理由がなく無断欠勤し、出勤の催促に応じない
等々、労働者を保護するに値しないほどの重大で悪質な義務違反ないし背信行為が労働者に存する場合としています。
つまり、企業内における「懲戒解雇」と労働基準法上における解雇予告除外の認定は同一のものではないのです。
そのため、簡単に解雇などせず、辞めてもらうときは退職届を提出してもらうよう最後まで努力をすることが大切です。