曽我社会保険労務士事務所

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Q & A 【回答者:所長 曽我 浩】

Q.役員も労働保険に加入できますか?

労働保険とは、労働者災害補償保険(労災保険)と雇用保険とを総称した名称です。

労災保険と雇用保険で、「労働者」の判断基準や実務上での取扱いが異なる点がありますので、
一概に労働保険はこうです!とは言えないのが難しいところです。

 まず労災保険ですが、、、

使用するすべての労働者が対象となります。
つまり、労働者ではない役員(使用者)は、労災保険の被保険者とはなりません。
ただし、代表権・業務執行権を有さない役員で、業務執行権を有する人の指揮命令を受けていれば、
労働者と認められ労災保険が適用となる場合
もあります。
個々のケースで異なりますので、事前に監督署に問合せすることをお勧めします。

 
次に雇用保険、、、

法人の役員は、原則として雇用保険の被保険者になりません
ただし、取締役、理事等であっても、同時に部長や支店長、工場長等従業員としての身分を有する者は、
就労実態や給料支払等の面からみて労働者的性格の強いものであって、雇用関係が明確に認められる
者に限り、「被保険者」として取り扱う
ことになっています。
手続きには、雇用保険の資格取得時に提出する雇用保険被保険者資格取得届に、『兼務役員雇用実態証
明書』とその他添付書類(※①)をハローワークに提出する必要があります。

 (※①添付書類)
就業規則や登記事項証明書、賃金台帳、出勤簿、雇用契約書、定款、議事録等

 

労働保険と雇用保険とで、実務上一番異なる点は、「労働者」と認められるタイミングです。

雇用保険が資格取得の申請時に「労働者」と認められるか判断されるのに対し、
労災保険は、個々の労働者毎に加入の手続きをする必要がないため、労災事故が発生した後に請求をし、
そこで初めて「労働者」の可否について判断されるため、最高裁まで争った結果「労働者」と認められず、
労災給付が受けられないといった事例もあります。
業務上の負傷には、原則「健康保険」は使えないため全額自己負担となってしまいます。(※②)
そのため、どうしても労災保険の適用を受けたい場合は、「特別加入」をお勧めします。

 

特別加入」とは、労働者以外で、一般の労働者と同様の状態で労働に従事し業務災害をこうむる危険が
ある人で、労働者に準じた保護が必要と認められる人について、申請に基づき一定の条件のもとに特別に
労災保険に加入することが認められ、保険給付が受けられる制度です。
中小企業の場合、社長や役員など経営者も「現場」で働くことが多いため、この特別加入の制度が設けられ
ています。
下記の加入要件を満たせば、経営者でも労災保険に特別加入し、業務上の負傷に対して労災保険から給付を
受けることができます。
当事務所でも労働保険事務組合がございますので、お気軽にお問合せください。

 

1.常時300人以下の労働者を使用する事業主であること

金融業・保険業・不動産業・小売業の場合は50人以下卸売業・サービス業は100人以下

2.その事業について、保険関係が成立していること

3.労働保険事務組合に労働保険事務を委託していること

 

※②

平成25年10月1日に健康保険法が改正され、健康保険の被保険者が5人未満の適用事業所の役員については、
一定の要件のもと健康保険の給付を受けられるようになりました。

 

尚、「労働者」と認められた場合の労働保険料の対象となる賃金は、「役員報酬」の部分は含まれず、労働者
としての「賃金」のみとなりますのでご注意ください。